| 会社法対策2 |
期間がかなりあきましたが、会社法対策の続きを書きたいと思います。
前回は、会社法の基礎概念について述べた。 会社法は、取引の効率的かつ適正な環境を整えることを目的としている。 この基礎認識は不可欠なものである。 問題点の分析を始める際の端緒となるからである。
その上で、なすべきことは、まず条文を毎回必ず引くことである。 条文を覚える必要はない。為すべきことは、会社法の構造を把握すること、条文間のつながりを把握すること、明文化されている要件・効果を把握することである。 日本の法律は、パンデクテン方式を採用しているため、共通項は総則として抜き出してある。各条文をみただけでは適切な判断をすることができない場合が多いのである。
例えば、取締役には善管注意義務・忠実義務が課される(会社法355条)が、この条文には「忠実」の文言は存在するが、善管注意義務の記載は無い。また、忠実義務を課される根拠も書いていない。
これは、役員等に関しては、330条により民法上の委任に関する規定を準用するというところが根拠となる。
つまり、善管注意義務は、民法の644条を準用していることを押えておかなければならないのである。
そして、善管注意義務・忠実義務違反は、競業や利益相反取引で最も問題となる(356条)。これに違反した場合は、423条2項・3項で損害賠償責任を負う。 また、この場合、会社法第7編雑則第2章第2節(847条以下)を通じて賠償責任の追求を株主が行わなければならない。
ところで、役員は委任契約を根幹としているため、従業員のように時間内の精勤義務を課されていないことも理解しておくべきであろう。 利益を出すことが取締役の仕事であることから、時間を拘束する必要が無いのである。 これは、会社法の規定以外の行為は自由に行えることを意味している。 雇用契約と委任契約の違いが端的に現れているのである。
例のように、会社法の条文はかなり飛ぶ。全編を網羅して問題解決までたどり着かなければならない。条文を常に引いておかなければ本番では条文操作ができないであろう。
会社法に限らず、法理論は条文を起点として発生しているのである。 条文と友達にならなければ、合格に達する論文は書き得ないということを強く認識しなければならないと考える。
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| 会社法対策 |
今回は、会社法の対策について考えたいと思います。
1、条文は必ず引く 2、定義を正確に覚える 3、定義の内容をイメージとして把握する 4、立法趣旨を確認する 5、機関を重点的に覚える 6、判例を確認する
法律の学習において重要なのは、条文、定義、判例である。 この3点を使いこなすことが勝負の分かれ目となる。 面倒であるが、根気強く繰り返して修得することが大切である。
会社法の立法趣旨は、合理化と適正化である。 迅速な取引の保護と公正な取引の保護、これが会社法の根本である。 この視点から、問題点を分析することを厳守するのである。
また、私的自治の原則や契約自由の原則が上位概念として存在することも確認しておく必要がある。私人間の取引は原則、当事者が納得すれば公序良俗に反しない限り自由なのである。 問題が発生して、その問題についての取り決めが無い場合に初めて商法や民法が顔をだすのである。
法の介入は余計なお世話であるという基礎認識が必要である。
続きは、次回の更新で取り上げたいと思います。
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